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What's NewANovember, 2004

Market Snapshot - 米国のIT市場をみる
今月のテーマ:草の根活動の芽が出始めたFirefoxブラウザ

国のIT業界における注目市場を月替わりで紹介する「Market Snapshot」では、市場の全体像やトレンドをわかりやすく説明。さらに役立つリンク集を活用すれば、該当市場や新製品に関するより具体的な情報も入手できます。当社では、特定の米国IT市場に関する調査をカスタマイズいたします。お問合わせは info@kanaboconsulting.com までどうぞ。

草の根活動の芽が出始めたFirefoxブラウザ

今月のMarket Snapshotでは、ブラウザ業界で台頭しつつあるFirefoxに焦点を当てる。ブラウザと言えば、現在、Microsoft社のIE(Internet Explore)が圧倒的に市場を占有しているが、それを僅かではあるが徐々に獲得し始めているのがオープンソースを基盤としたFirefoxである。その誕生の軌跡は、AOLがNetscapeを100億ドルで買収した1999年に遡る。買収後、AOLの傘下となったNetscapeの勢力はさらに弱まり、IEによるほぼ完全主導型の市場が確立した。Netscapeの共同設立者Marc Andreesen氏が「Windowsを打ち負かす日が来る」と断言的に予測したのが1995年。現状はこの予測と反するものだが、全く的を得ていないわけではない。

AOL社のNetscape Communications部門で、オープンソースを利用した製品開発に勤しむエンジニアを中心に非営利団体のMozilla Foundationが設立された。2002年9月、Phoenixのコードネームでリリースされたブラウザに前向きな感触を得たAOLは、同団体に僅か一年足らずの内に200万ドルの投資を行い、Mozillaプロジェクトの存続に努めた。財政面での支援はもとよりこの「前向きな感触」の背景には、Blake Ross氏の技術的貢献がある。同氏がインターンとしてNetscapeに参加したのが若干14歳。19歳になった現在、Stanford大学の学生と同時に、Firefoxのリードアーキテクトを務める人物だ。さらに、コード開発者であるDavid Hyatt氏と共に「IEのマーケットシェアを揺るがすブラウザ」創りが本格始動の態勢に入った。そして今年6月、Firefoxに改名した新バージョンブラウザの発表とほぼ同じくして、もうひとつの朗報がMozilla Foundationに舞い込んできた。IEに新たなウィルスが発見されたのである。これを受けて、U.S. Computer Emergency Readiness Teamは米国の政府組織に対しIEの利用停止を促した。この時期を境目にFirefoxの勢いは、一般のMozilla擁護者からフォーチュン100企業へと急速に拡大しはじめた。

Firefoxの市場機会は、こうした大手企業ユーザの増加に留まるものではない。今後、ユーザベースが確立していけば、Firefoxを利用した各種プログラムの開発に乗り出す新興企業が出てくる。確かにMicrosoft社でも新しいOS−Longhornには(Firefoxのように)ウエブアプリケーションを構築し易いフレームワークを含むと強調しているが、実際の出荷は2006年とまだ先の話だ。従って、Longhornが発表されるまでの今後2年間がブラウザ業界にとって非常に興味深い時期になると思われる。

10月に発表されたZdnetの調査によると、Mozilla FoundationではFirefoxが獲得するブラウザ市場のシェアは、2005年までに10%に達すると見込んでいる。この予測は、以下Firefox各バージョンのダウンロード回数に裏付けられている:

−0.8バージョン:4ヶ月間で330万回

−0.9バージョン:3ヶ月間で650万回

−プレリリースバージョン:1ヶ月間で500万回

ウエブサイトに関する調査会社WebSideStory社によると、ブラウザ市場におけるMicrosoft社のシェアは、6月の95.6%から9月には93.7%に縮小。一方でMozilla Foundationの新しいブラウザは同期で3.5%から5.2%へと増加したとの報告がある。では、何故メジャーのIEからFirefoxへ利用者が移行しつつあるのか。その主な理由には:@独自のタブブラウズ機能(ひとつのウィンドウ内に複数のウエブページを開けることが可能)やポップアップ広告のブロック機能を標準装備することで、高速化を実現していること、A長年の間、攻撃の対象となってきたIEは、スパイウエア等をダウンロードしてしまう危険性がより高いこと、Bボランティアの技術者や支援する学術関係者、一般ユーザらの協力と実体験に基づく推薦が口コミで広がったことの3点が指摘される。特に、セキュリティ問題については当初から力を入れてきた。その一環として、今年夏に開設されたMozilla Security Bugs Bounty Programでは「深刻なセキュリティバグを報告した人物に500ドルの賞金を払う」というユニークな発表を行った。それから僅か一ヵ月後の9月。セキュリティ分野の研究員および専門家が共同で初のバグを報告した。このように、Firefoxはその存続、向上を擁護する人々の前向きな姿勢に支えられて今日に至るのである。そして今月、いよいよ待望のFirefox1.0バージョンが発表される 。

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This Month's Bridge Builder
Featuring the real voice of IT across the Pacific

October, 2004 

将来性が期待される日本のデジタル機器産業

富士通総研 経済研究所  

常務理事 根津 利三郎氏

先般行われたJapan Society主催のイベント『Digital Networks in Asia: Trends and Opportunities』において、富士通総研 経済研究所の常務理事を務める根津利三郎氏のプレゼンテーション(”Is the Japanese IT industry recovering at long last ? Lessons from the 90s and prospects for the 00s”)は、参加者の関心を惹く内容であった。多くの経済学者らと同様、日本経済の回復に対する同氏の見解も適確なデータに裏付けられたものだったが、中でも、将来、日本のビジネスにおける競争力を高めるための戦略についての話は、非常に興味深いものであった。現職に就く以前はOECDへの日本代表として11年間をパリで過ごし、豊富な経験と長年の研究活動を通じて2002年には著書『IT戦国時代』を出版。同書では、世界の競争状況にあるITを分析している。今月のBridge Builderでは、経済産業省 経済産業研究所の理事としても活躍する根津氏の講演内容を要点に整理してご紹介したい。

講演の冒頭で根津氏は、80年代、半導体市場の占有率においてトップであった日本が、90年代に入って第2位の国に定着するまでの経過を説明。2002年以降、日本のマーケットシェアが、僅かに上昇傾向に乗じた点を強調する一方で、過去(90年代)の教訓から日本企業が学ぶべき重点を以下のように指摘していた:

-90年代、日本ではどの企業でも「一気にすべてを完成させる」という共通の戦略を採用していた。幅広い製品に対しリソースを「浅く広く」投入した結果、世界市場を掌握するレベルに達した日本企業は存在し得なかった。世界のトップに立つためには、日本企業は自社独自の戦略を構築し、リソースを集中させる必要がある。

-90年代全般を通じて、日本の企業は電子技術の漏出に対して警戒心が低かった。そしてこの事が、アジア諸国の競合企業に保有技術を模倣される結果を招いたのである。こうした危険性を回避する上で、日本の企業は基幹業務を国内で行うべきである。

-また、こうした企業では、アジア他国における安価な労働力を利用せず、国内での総合的な生産過程に固執していた。経費を削減するためには、アウトソーシング化によって業務の一部を海外委託することは良策である。

-その結果、日本は低額の投資と競争力の不足といった悪循環に巻き込まれていった。今日の日本企業は、娯楽向けのデジタル機器産業において、絶対に同じ過ちを繰り返してはならない。

根津氏の見解では、日本経済の回復基調は、まさに日本企業がこうした苦い経験から実際に教訓を得た証拠だとされている。半導体業界を例に挙げると、DRAMおよびシステムLSIの両分野では、競争力の強化が確実に見られる。近年、日本の会社はアジア諸国の企業との協力関係とアウトソーシング化を通じて、現地での生産率を上昇させている。特に、3G携帯電話をはじめDVD、デジタルカメラ、フラットテレビ(プラズマ、LCD等)に代表されるデジタルオーディオ/ビデオ機器は将来性の高い分野である。しかし、経済回復を示唆する要素はこれだけではない。例えば、日本におけるブロードバンド技術の急速な普及により、至るところに最高速のサービスが安価で供給されるようになったことや、鉄、セメント、プラスチック、その他の資材における中国への輸出量が増加傾向にある点も指摘される。

IT産業の発展について根津氏は、1994年のメインフレーム・コンピュータ時代は、翌年、米国が牽引するPCおよびインターネット産業へと移行し、2000年は欧州が携帯電話業界の中心的役割を担ったと説明。そして2004年、同氏は、デジタル機器産業を日本が先導する年になるとの見方を示した。

Japan Societyの活動内容や今後の開催イベント情報に関しては、同団体のウエブサイトをご覧下さい: www.usajapan.org   

前回までのインタビュー

Upcoming Events,

Wi-Fi Planet Conference
2004年11月30日〜12月2日, San Jose McEnery Convention Center カリフォルニア州サンノゼ

IT Compliance
2004年12月1日〜3日, Hyatt Regency カリフォルニア州サンフランシスコ 

Outsourcing Summit
2004年12月5日〜7日, The Scottsdale Plaza Resort アリゾナ州スコッツデール 

Corporate Security
2004年12月6日〜8日, The Princeton Club ニューヨーク州ニューヨーク 

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