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What's NewASept./Oct., 2003

Market Snapshot - 米国のIT市場をみる
今月のテーマ: 通勤時間を楽しくする技術−サテライトラジオ

米国のIT業界における注目市場を月替わりで紹介する「Market Snapshot」では、市場の全体像やトレンドをわかりやすく説明。さらに役立つリンク集を活用すれば、該当市場や新製品に関するより具体的な情報も入手できます。当社では、特定の米国IT市場に関する調査をカスタマイズいたします。お問合わせは info@kanaboconsulting.com までどうぞ。

通勤時間を楽しくする技術−サテライトラジオ

今から20年ほど前に遡るが、『Psychology Today』誌で米国の成人を対象に「人生の中で最も楽しいと思うもの」をアンケートした結果、一位は音楽であった。以来、現在に至るまで次々と登場する新種のオーディオ関連製品に需要が追いついている事実からも、アメリカ人の音楽に対する関心が依然として高いのが分る。特に、車社会に暮らし、時間の有効利用を重んじるアメリカ人にとって、渋滞からのストレスを緩和し、快適な通勤時間を過ごす手段として音楽を聴くことは、想像以上に重要なのかもしれない。現在、米国内で運転される自動車の数は約2億台で、人口全体の約1億1500万人が一日平均2時間半を通勤時間に費やしている(U.S. Department of Transportation)。その間、大半の運転者が主にラジオから音楽を聴いて過ごすと言われている。FM/AMラジオの利点は、無料で手軽に交通情報や天気予報、スポーツ実況、音楽などを聴けることだが、同時に番組の数や種類に限りがあり、個々人の趣向に合った内容が得られないという弱点もある。また、ラジオ番組の制作と運営は概して広告費に依存しているため、番組の途中で頻繁にCMが入る。ところが、無料であれば諦めもつくこれらの弱点が解決され、好きなジャンルの音楽を高音質で聴きながら毎日快適に通勤できるのであれば、有料でラジオ番組を受信する価値は十分ある。こうした見地から、90年代に始まりホームエンターテインメント分野へ活気をもたらした衛星TV放送(DirectTVやEcoStarに代表される)の基本概念をオーディオの世界で実現したのが、サテライトラジオである。UHFやVHFアンテナを使えば無料でTV番組を受信できるにも拘らず、視聴番組の種類と内容の充実を求め、アメリカ人全体のおよそ8割強がケーブルもしくは衛星TVに加入しており、将来、ラジオについてもこれと似たような状況が期待されている。

現在、米国連邦政府のFCCより認可を受け、サテライトラジオ放送を提供している企業はXM Satellite Radio(Nasdaq:XMSR 本社ワシントンD.C.、以下XM社)とSirius Satellite Radio(Nasdaq:SIRI 本社ニューヨーク市、以下Sirius社)の2社である。近年、Satellite Newsが発表した調査結果では、国内全体で60万人とされるサテライトラジオ放送の加入者数は増加傾向にあり、今年度の第2四半期末までには80万2000人に達するとの見込みがある。さらに各社別の2003年末における加入者数(合計)は、XM社で100万人、Sirius社でも30万人が予測されている。

一家に一台ならず「一人に一台」とも言われる米国の自動車所有率に着眼したサテライトラジオの主要ターゲットは、自動車メーカーである。The Carmel Groupの予測によると、2008年までには米国内でサテライトラジオを搭載した自動車は、総数2億4300万台の10分の1を占めるようになる。現在のところ、自動車向けのサテライトラジオは、顧客のリクエストによってオプションとして搭載されるのが一般的であり、工場出荷時インストールされた市場で本格的に動き出すのは、早くて2005年頃との見方もある(Satellite News)。それまでは、大型家電チェーン店をはじめ携帯電子機器を専門とする小売店を通じ、主にアフターマーケットでの売上を着実に伸ばしているのが現状だ。今後の動向については、@自動車メーカーがサテライトラジオの価値をより高く評価し、Aカーディーラが最適な販売戦略を打ち出す、またB屋内専用の製品が充実し、一箇所に数台のシステム導入をすることで受信料の値下げができれば、住宅や法人での利用率が上昇するといった可能性が考えられる。

Rising Company - Danger社

Danger, Inc.(デンジャー)

■創設時期: 2000年1月

■ステータス: 未公開企業

■所在地:124 University Avenue Palo Alto, CA 94301

■連絡先: Tel: 650-289-5000 Fax: 650-289-5001

■URL: www.danger.com

■従業員数:2003年8月の時点で135名だが、年末をめどに150名に増員する方針。

■経営陣: Hank Nothhaft(会長兼CEO:Concentric Network Corp.、DSC Communications、GTE Telenet Communications(現Sprint)など通信およびネットワーキング業界での豊富な経験を持つ。2002年の就任前は新興企業SmartPipes, Inc.の代表を務めていた)、Andy Rubin(社長兼CSO、共同創設者:WebTV Networks(1995年にMicrosoftが買収)の通信技術部門を指揮。Apple出身)、John Arledge(VP of Business Development:TiVoの前事業開発部長)、Joe Britt(CTO兼SVP of Software、共同創設者:WebTV Networksではシステムソフトの技術者として活躍。Apple出身)、Matt Hershenson(SVP of Hardware、共同創設者:Mainbrace Corporationにてハードウエア部門を統括。Apple出身)。2001年、諮問委員としてAppleの共同創設者Steve Wozniak氏が参画。

■最近の資金調達状況: 現在までの調達資金総額は$7,700万(同社の公式発表による)。投資家にはT-Mobile(T-Venture)を筆頭にOrange Ventures、Mobius Venture Capital、Redpoint Ventures、Venture Strategy Partners、Diamondhead Ventures、innOvate Communications Group等がある。2003年2月初頭、SOFTBANK Capital PartnersおよびMeritech Capital Partnersのリードにより$3500万でラウンドDを完了した。この追加資金は、主に携帯電話事業者顧客の拡大に運用される予定。

■主な提携先: T-Mobile、Microcell Telecom、TritonPCS(無線サービスプロバイダ)、Benchmark Electronics、Flextronics(メーカー)、America Online、Intel、Kyocera、UCP Morgen等(技術提携)他多数

■事業概要と保有技術の特徴: 膝(ラップ)の上で操作するLaptopに対し、3名のApple出身者が共同設立した同社では、学生など若い世代(18歳〜34歳の範囲)をターゲットに、腰(ヒップ)に付帯して利用できる小型の携帯端末Hiptopを開発。2002年10月、パートナー企業のT-Mobileより「Sidekick」のブランド名で販売開始した当時は、モノクロ画面でのスタートだったが、今年6月にはメモリ容量とプロセッサ速度を強化したカラーモデルが登場した。これとほぼ前後して、他のキャリアもプロバイダに加わり(TritonからSunCom Hiptopとして、カナダ市場向けにMicrocell SolutionではFido Hiptopとして展開)、北米市場における同製品の浸透に貢献している。 GSM/GPRS規格に準拠したHiptopはウエブブラウザ、電子メール、PIM、AOLのIMを使ったチャット、デジタルカメラ(外付け)、ゲーム、音声通話機能を統合した(形状:116mm×65mm×28mm。重量:約150g)、薄型の石鹸を思わせる機器である。イメージとしては、PDA機器で知られるResearch In Motion社(本社:カナダ。以下RIM)のBlackBerryに近いが、主にHiptopは対象年代層の違い、一般消費者への普及(競合としてはRIMの他にPalmやHandspring等のPDA大手も挙げられるが、いずれもユーザの利用目的はビジネス環境が主流)、機能性の多様化、使い勝手を意識したデザイン、手頃な価格設定(カラーモデル:$300)などで差別化を図っている。モノクロモデルの発売から僅か8ヶ月の間に、米国では若い世代を中心にポップカルチャーのアイコンとして急速に普及している(現在のところDangerでは、売上実績について公式発表を行っていない)。

■業界での評判、今後の動きなど: USA Todayより”Best Product of 2002”、Handheld Computingでは”Best of the Best”、PC World Magazineでも”Product of the Year”に選ばれるなど同製品に対する業界および消費者からの評価は上々で、特に米国では品切れを経験する店舗が後を絶たないほどの人気ぶりを発揮している。具体的な時期は明確にされていないが、海外市場への拡張計画として、イギリス支社の開設(社員は10名程度でスタートする予定)に向け準備を進めている。技術面に関しては、自社ソフトのJava対応に向け、今年9月にSun Microsystemsとの間でJava 2 Micro Edition(J2ME)のライセンス契約を締結。来年の上半期をめどにJ2MEをベースとした製品出荷が予定されており、ユーザは今後、ゲーム等のエンターテインメントや各種データサービス(金融関連情報や位置情報など)など幅広い種類のJavaアプリにアクセスできるようになる。

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This Month's Bridge Builder
Featuring the real voice of IT across the Pacific

Sept./Oct., 2003 

信頼関係の土台は率直さと認め合う気持ち

折居 章雄氏

KDDI Labs USA, Inc.                   VP, Marketing & Business Development 

日米間における自己表現の違いについては、日本をハイコンテクスト文化(high-context culture:状況依存度が高い)、米国をローコンテクスト文化(low-context culture:状況依存度が低い)という観点から説明されることがある。単一民族国家である日本では、人々の生活習慣や文化的背景、経験に類似する部分が多いため、敢えて明確な表現を避け、与えられた状況の中から物事の真意を「察する」、そして相手も「察してくれる」という公式が自然と成立する。そして、この「察する」能力を持つことが、日本人同士でのコミュニケーションにおいては、思いやりをもって相手を理解するための大事な要素なのだ。これとは反対に、多民族国家に代表される米国や欧州諸国は、宗教や先祖の歴史的背景、教育環境の在り方が多岐に渡るため、個々人が独自性を尊重し、それを主張する傾向がある。ローコンテクスト文化では、自身の考えや意思を相手に「明確に伝える」能力を示すことが、自分という人間を知ってもらい、相手の立場を理解する上で不可欠な行為であり、これが信頼感を生み出すことにも繋がる。理論上は簡単そうだが、こうした概念の違いは、実際の経験と共にそれを吸収していく努力をしてはじめて理解されるものだ。

今回、Bridge Builderでお話を伺ったKDDI Labs USA, Inc.(シリコンバレー)の折居 章雄氏(VP, Marketing & Business Development)は、ご自身の豊かな経験を通じて、こうした概念の違いを米国でのビジネスでうまく実践されている。特に、異文化の人間同士が協働する際に忘れてはならない原点は、同氏の「信頼関係は先ず互いを認め合うことから」という考えに凝縮されている。

Q1. 最初にアメリカへいらしたきっかけと、KDDI Labs USA, Inc.での現在の役割について教えください。

A1. 最初にアメリカに来たのは、1993年の5月です。旧KDDで、法務部門を経て、国際データ通信サービスの企画・計画をやっていた部署から、当時のKDD AmericaのSF支店への転勤となりました。KDD Americaは、1985年に始まった日本の通信市場開放政策によって外国通信事業者による相互市場参入が顕著になりつつあったことを受け、60年代から存在したKDDの駐在員事務所数拠点を、1989年に米国法人として統合設立したものでした。法人設置から4年余りを経過していましたが、米国での独自のサービス導入には至っていない段階だったことから、NY本社と協力し、また、NY勤務を経て、米国政府への免許申請、アメリカ通信事業者とのアライアンス構築等、順次米国でのサービス導入に携わって参りました。

本年4月から、KDDI研究所の100%現地法人である、KDDI Labs USA, Inc.において、マーケティング及び事業開発担当として、勤務しています。KDDI Labs USA, Inc.は、1999年に開設され、当初は、米国、特にシリコンバレーの最新技術情報を調査の上日本へフィードバックする役割が中心でしたが、現在は、主に次の3つを主要活動領域としています。1つ目は研究開発活動で、KDDI研究所の研究活動に対する支援及び当社独自の当地での研究開発活動からなります。Stanford、UC Berkeley 、US David 、UC Santa Barbara等の大学とも多岐に亙る共同研究を行っています。KDDI Labs USAとしての独自の研究開発活動の中では、特にNetwork Security、IPv6等の分野で成果を挙げつつあり、KDDIのグローバル通信サービスのさらなる付加価値化に寄与することを目的としています。2つ目は、調査活動であり、米国の最新技術・市場動向の調査を行っています。KDDI本社やKDDI研究所をはじめとするグループ会社から依頼のある固有テーマについて堀り下げることに加え、KD当社独自の活動として、やはりKDDIサービスの高付加価値化に直結する技術やサービスについての詳細調査を行っています。3つ目は、営業支援活動であり、KDDI研究所が有する多様な開発技術を、日本市場のみならず、米国市場にも浸透させるべく、NABへの出展等を通じて、活動を行っています。

Q2. 近年、御社で最も力を入れている分野や研究の対象はどのようなものですか?

A2. KDDIは、”Ubiquitous Solution Company”を標榜しており、固定網からワイヤレス網、音声からデータまで、すべてを一元的に提供しています。そのような観点からは、コア技術となるブロードバンド技術、コンテンツ配信・管理技術、IPv6、セキュリティ技術、ワイヤレス技術等、広範な内容が我々の対象分野となります。当社が持つ独自技術とのシナジー、さらには米国で生まれた最新技術を有する会社との共同研究・開発等、多くの局面で米国企業との関わりが生まれています。新技術を日本市場にて展開することを企図している米国企業に対しては、たとえば当社のインフラを用いて事前検証のための実験を行い、その結果に基づいて必要な技術提案や、場合によっては共同開発を行って、より実態に即したものとして日本へ導入してもらえるように協力することも行っています。

現在当社には、アプリケーション分野の専門である所長、ネットワーク技術分野の専門である副所長と2人のPh.Dがおり、主に分野毎に分担をしていますが、そこに米国通信業界での10年余りの実務経験を持つ私がジョインしてビジネス分野で多面的にサポートすることによって極めて良好なチームワークが出来上がり、現在多くの研究機関、企業、大学等と多くの案件に携わっています。今後も、上記の重点項目に関連する新たな企業等との連携を生んで生きたいと考えているところです。

Q3. アメリカでは10年近くの業務経験をお持ちですが、ビジネス文化における日米間の違いや類似点については、どのように感じられますか?

A3. 先ず差異についてですが、よく言われるとおり、アメリカにおいては良くも悪くもYes/Noを明確にすべきことが求められます。お互いの信頼関係や能力・知識・実績を認め合う関係が構築されている限りにおいては、”No”を明確に伝えたとしても、それをもって直ちに関係が悪化することはないと思いますし、むしろ率直なもの言いを行うことによって、相手の時間その他の有限リソースの浪費を避ける努力が必要であると痛感しています。KDDが一時期出資をしていたアメリカの通信会社に出向していた時期がありましたが、日本人ひとりでその会社の新規事業計画と市場への新サービス投入に関与し、小規模ながらもアメリカのビジネスの回し方、経営の意思決定プロセスやスピードを学びましたが、今振り返りますと、文化の違いを体感するという観点においても、あれが大変貴重な経験でした。

他方で、根底は人と人との繋がりですから、洋の東西を問わず、人格的な面が人間関係、ひいてはビジネス関係にもたらす影響は大きいと思います。「英語では、日本語のような敬語を含む(相対的に)複雑な言語体系は余り用いられない」ということもよく聞きますが、英語環境においても、自分の置かれた立場や交渉状況によっては適切な言葉の使い分けが求められるのは事実で、また、同じ米国でも東西において差異は大きく、そういった点も含めて、如何に地場のビジネス文化や慣習を理解するかが大変重要な要素であると感じています。

Q4. ご自身の体験から、アメリカで仕事をしていく上で何が重要なポイントだと思われますか?

A4. 先にも触れましたが、ビジネスにおいても、あるいはコミュニティにおいても同様ですが、人と人との関係を構築する上で、やはり根底にあるのは信頼関係だと思います。それは、いわゆる「もたれ合い」のようなものとは異質で、認め合う関係だと感じています。従って、勿論合理的なアプローチは重要ではあるものの、そこには相手に納得してもらえるだけの説得性を備えていることが重要であると思います。分からないことは素直に分からないと言う、相手に教えを請うべき状況では謙虚に耳を傾ける、といったことの積み重ねが、短期間であっても実りある人間関係を形成する上で重要であると考えています。その上で、理想的なビジネス関係としては、Give & Takeですので、自分が何かをGiveできるように、常日頃から研鑽を積むことも必要だと思います。アメリカでビジネスに携わる以上、英語を操ることはいわば基本でありますが、あくまでも英語という言語は情報・意思・考え方等を伝えるツールですから、要諦はその情報等の内容そのものです。その意味では、正しい日本語で正しい情報を蓄積しておくことの方が、遥かに重要であり、それが結局は互恵的な関係を公私に亙って築き上げてくれるものと信じています。

KDDI Labs USA, Inc.のさらに詳しい事業活動、研究開発活動については下記のウエブサイトをご覧ください。www.kddilabs.com  

前回までのインタビュー

Upcoming Events,

Satellite Application Technology Conference 2003
2003年11月3日〜5日, Hilton New York ニューヨーク州ニューヨーク

放送から政府機関、金融サービス、リテール、電気通信、ヘルスケア、公益事業、輸送など幅広い産業におけるエンドユーザ向けのサテライトアプリケーションに焦点を当てたイベント。

CSI Conference and Expo
2003年11月3日〜5日, Marriott Wardman Park ワシントンD.C.

コンピュータセキュリティ業界における大規模なコンファレンス。今年は160種を超えるセッションをはじめ、各種ケーススタディの紹介やパネルディスカッションで構成。基調講演にはLouis Freeh氏(前Director of the FBI)を迎える。

Electronic Data Capture
2003年11月12日〜14日, Loews L'Enfant Plaza ワシントンD.C.

医療産業におけるEDCプロセスをテーマとしたコンファレンスで、今年8回目を迎える。ワークショップでは専門家による実際の事例検証を通じ、今後の導入と運営方法に関する戦略を紹介していく。

Comdex Fall Las Vegas
2003年11月17日〜21日, Las Vegas Convention Center ネバダ州ラスベガス

IT業界における大規模な年次コンファレンス。今年のテーマはWireless and Mobility、Security、Windows Platform、Open Source and Linux、On Demand Computing、The Digital Enterprise、Web Servicesが中心とされる。

 

 

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