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What's NewAJuly-August, 2003

Market Snapshot - 米国のIT市場をみる
今月のテーマ: 米国におけるストックオプションの明確化

米国のIT業界における注目市場を月替わりで紹介する「Market Snapshot」では、市場の全体像やトレンドをわかりやすく説明。さらに役立つリンク集を活用すれば、該当市場や新製品に関するより具体的な情報も入手できます。当社では、特定の米国IT市場に関する調査をカスタマイズいたします。お問合わせは info@kanaboconsulting.com までどうぞ。

米国企業におけるストックオプションの明確化

今月のMarket Snapshotでは、米国のストックオプション制度に対する技術系企業の方針についてお話したい。企業が役員や従業員に対し、特定の期間内にあらかじめ定められた価格で自社の株式を購入できる権利を「ストックオプション」(以下:SO)と呼ぶ。いわゆる社員持ち株制度のことである。90年代以降、特にドットコム全盛期のアメリカで、ハイテク業界を中心に就職希望者や優秀な人材を惹きつけるキーワードとなり、今から3年ほど前までは相次ぐ倒産劇とは裏腹に、このSOに恩恵を受け一夜にして財を築く若い世代のエグゼクティブが後を絶たなかった。事実、近年発表されたWharton School of the University of Pennsylvaniaの資料によると、90年代後半までに米国内の大企業におけるSOは発行済み株式の7%を占め、全体の3分の1を最高幹部者らが所有していたとされている。本来、SOには節税や賃金の抑制、株主利益の引上げを目標として社員に労働意欲を促進するインセンティブ効果、オプション購入者にとっては行使価格を上回った額が支払われるため、報酬にはリミットがない上、(株価が低下した場合でも)完全に損失を被ることにはならない−といったメリットがある。ところが、現実的には先に述べたように、十分な収入に加え多数の自社株を持つ企業の上層部らがSOを受取っており、これが社員にどれほどインセンティブ効果をもたらすものか疑問視されるようになってきた。

こうした中、米国の大手ハイテク企業の中には、SO制度の見直しを行う動きが出てきている。Siebel Systemsの会長兼CEOを務めるThomas Siebel氏は今年の初頭、業績低迷を打開する一助になればと、98年以来受けてきた約2,600万ドルのSOを自らキャンセルした。また、米Yahooでも従業員のSO比率を2001年の5.6%から翌年には1.4%へと削減しており、この傾向は今年も継続するものとされている。さらに、Microsoftも今年の9月をめどにSO制度の撤廃に乗り出す方針を打ち出した。その背景には、Enronなど米国の巨大企業における会計処理の杜撰さが明るみになる中で、SOの本質や真価が問われるようになり、連邦政府が梃入れを始めたことが挙げられる。今年の3月に入り、FASB(Financial Accounting Standards Board:米財務会計基準審議会)は今後、欧州のIASB(International Accounting Standards Board:国際会計基準理事会)と連携しながら、経費としてSOの計上を要求するよう検討・調査を開始する意向を発表した。

SOを経費として算入すれば、財務書類で報告されるため、投資家や社員らはその価値について正確な情報を把握することができる。一方、企業側ではSOの費用計上により利益の減少を懸念する傾向にある。したがって、これまでシリコンバレーなどハイテク企業がひしめく地域では、この連邦政府の提案に対し企業各社が強く反発してきた。このような状況の中、SOによって多くの若き富豪らを輩出し、ハイテク業界の低迷を経験しながらも460億ドル企業に成長を遂げたMicrosoftの決断は、業界で話題を呼んでいる。その理由のひとつは、同社はそれまでPeopleSoftをはじめHP、Intel、Ciscoなど大手企業とならび声高にSOの経費計上に反論を唱えていたからだ。では、Microsoftにおける決断の動機とは何か?先ずは、業界リーダとして連邦政府の提案に則した行動を取ることで、反対派から改革派として企業イメージを一新させること。もうひとつは、比較的新しい社員らが前職者たちの懐を潤わせた株式市場の高騰に懐疑心を持っており、誰にでも明確な新しい報酬プランを与えるほうが、逆に労働意欲を駆り立てるためとされている。今後、反対派の企業がMicrosoftのやり方に傾倒するかについては賛否両論分かれるところだが、SO制度を存続させる企業には、最低限のルールとしてSOのコストと株数の透明性が求められていくであろう。

Rising Company - Aduva社

Aduva, Inc.(アドゥーヴァ)

■創設時期: 1999年10月

■ステータス: 未公開企業

■本社:1290 Oakmead Parkway, Suite 230 Sunnyvale, CA 94085

■連絡先: Tel:408-991-9844/Fax:408-991-9849

■URL: www.aduva.com

■従業員数:約50名

■売上実績など: 同社では2003年第3四半期で黒字転換するものと予測。

■経営陣:Ilan Raab(CEO)、Shmuel Huppert(CFO)、Raymond Glynn(VP of Sales)、Chris Johansen(Director of Marketing)、Yaron Bielous(VP of Product Management)、Zeev Becker(VP of R&D)

■最近の資金調達状況:シリーズC(2002年後半)にて1800万ドルを調達(現在までの調達総額は2,650万ドル)。

■投資企業:IBM、Intel、BMC、The Capital Group、Elwin Capital Partners、Evergreen、CAP Venturesほか複数の民間投資家ら

■主な提携先:BMC Software、HP、IBM

■沿革: 1999年の起ち上げから約一年後に製品第一号を発表(Version 1.0)。2002年にはBMCとのOEM契約を通じて、Deployment Manager for Linux(DML)を販売開始。同じくBMCの協力を得て、同年9月にはzSeries Mainframe用にDMLの販売に乗り出した。2003年にOnStage 2.0を正式発表。R&D施設をイスラエルのテルアビブに持つ。

■事業概要と保有技術の特徴: プロビジョニングおよびコンフィギュレーションの管理ソフトを手掛ける企業で、Linuxシステムの確度を最大化、サポートコストの削減を目指した製品を展開。無償で利用できるオープンソースのOSとして普及しているLinuxだが、運用面においては割高のコストと複雑性がネックとされ、オープンソース・ソリューションに特有の断続的な変化も管理を難しくする要因として、企業レベルでのLinux導入に影響を与えている。また、長い間Linuxの敵とされてきたMicrosoftに代わり、近年ではSCO(ユタ州)が、複数のLinux関連製品によって自社の著作権が侵害されたと主張し、UNIXのライセンス料を支払わずにLinuxを利用する企業各社を提訴する姿勢を見せている。今後、SCOの主張が業界に及ぼす影響については賛否両論だが、IBMを相手に30億ドルとも言われる訴訟を起こすなど深刻な様相を呈している。仮に法廷での判決がSCOの主張を支持した場合(IBMがUNIXの知的所有権を侵害し、Linuxの構築に利用したこと)、現在、生産過程にある全てのLinuxサーバに修正が必要となってくる。そうなれば、Linuxシステム管理者らは、裁判所がSCOの知的所有権(以下:IP)であると認定したコードを全て特定し、IP侵害の範囲に相当するそれと交換しなければならない。これは、レベルの差こそあれ、時間と労力を費やすマニュアル作業が要求されることになる。Aduvaでは、こうした問題の解決策としてOnStage(2003年8月に正式発表された最新版はOnStage 2.0)を展開。同製品は、企業のIT部門がいかなるLinuxサーバにおいても最新かつ安全、確度の高いソフトウエア環境を構築、導入、管理維持するためのパッケージソフトである。導入企業は、全サーバについて単独のコンソールからIP侵害に相当するコードを自動的に特定し、僅か数分間で適正コードへの転換を完了できる。さらにSoundCheckと呼ばれるツールは、全てのLinuxサーバを走査し、アプリケーションやセキュリティの欠陥に繋がる潜在的な問題(依存関係の損失や認可されていないバグ修正など)を特定するもので、同社ウエブサイトから無償でダウンロードすることができる (www.aduva.com/soundcheck)。

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This Month's Bridge Builder
Featuring the real voice of IT across the Pacific

July-August, 2003 

日本で成功を収めた海外企業

香川 悦子氏

株式会社シマンテック                  製品戦略部長

先月号のBridge Builder(『時機を得た日本企業への投資』では、日本における組織改革を機に、海外投資家らの日本市場に対する関心について触れた。今月はその続編として、JETRO San Francisco主催のシンポジウム(“(re)Structuring Success: Solid Foundations for Building your Business in Japan”)での香川悦子氏(Japan Symantec Corporation 製品戦略部部長)による講演『Growing a Business in Japan』をテーマに、海外投資における具体的なケーススタディと、日本Symantec社の起ち上げから成功に至るまでの教訓に焦点を当ててご紹介したい。

香川氏は講演の冒頭で、セキュリティ・ソフトウエア業界において主導的立場にあるSymantec社の概要を説明した。1994年9月、日本法人Symantec JapanがJETRO(赤坂)のインキュベータからスタートした当時、同氏を含め僅か数名の社員らが直面したのは、日本の市場ではネットワーキングとインターネットにつきものの「リスク」をさほど重要視していない現状であった。こうした実状にもかかわらず、1996年にはローカライゼーション部門を編成し、大阪支社(1998年)さらには名古屋支社(2001年)の開設と急速に成長。同社の売上は、事業の拡張と並行して1995年の$1000万から2001年にはおよそ$8000万に到達した。そして今日、同社は200名の社員を抱える年間売上$1億1000万企業へと飛躍したのである。

Symantec Japanの例を引用しながら、香川氏は、将来、日本での起業を目指す会社で参考にできる成功要因を挙げた:

@日本市場に対する公約(本社から支援を受けている事)を明確に示す事が重要。

A日本における顧客の期待感に合致した製品展開(日本語化などのローカライゼーションは然ることながら、日本独自の品質条件を満たし、現地での適切な技術およびカスタマーサポート体制が整っていることは必須)。

B信頼性があり、事業拡大に邁進する現地パートナーの確保(日本の市場では、現地パートナーを持つことがほぼ前提条件とされている)。

C日本におけるビジネスは何よりも「信頼」の上に成り立っているため、ブランド創りは重要性が高い。

日本におけるセキュリティ市場について同氏は、成長の余地がかなりあると指摘している。事実、侵入検知や脆弱性管理、セキュリティ管理など従来からあるセキュリティ製品の普及率が依然として低い現状は、この点を示唆するものだ。この他、セキュリティ産業におけるビジネス機会は、日本政府の政策に因るところもある。現在、日本で進められているe-Japan計画をはじめ防衛関係の様々な活動を通じ、セキュリティに関連した各種製品やサービスを日本で展開していくチャンスは、まだまだ十分残されている。

JETRO主催の各種イベントや事業に関する詳細は、土井さん(Director of Trade and Investment Promotion:415-392-1333)まで、または下記ウエブサイトでご覧いただけます。 www.jetro.org/sanfrancisco

前回までのインタビュー

Upcoming Events,

Oracle World
2003年9月7日〜9月11日, The Moscone Center カリフォルニア州サンフランシスコ

今年もCharles Phillips氏(EVP, Oracle)をはじめ Michael Dell氏(Chairman and CEO, Dell)、 Scott McNealy氏(Chairman, President and CEO, Sun Microsystems)他多数の基調講演者が予定されている。

Network Security Conference
2003年9月8日〜9月10日, Caesars Palace ネバダ州ラスベガス

研修セッションに力を入れたネットワークセキュリティに関するコンファレンス。Verizon BBN TechnologiesよりDr. Stephen Kent(Chief Scientist for Security)を、BindView社の創設者Eric J. Pulaski氏を基調講演に迎える予定。

Portable Power Conference and Expo
2003年9月21日〜9月23日, The Moscone Center カリフォルニア州サンフランシスコ

無線通信および携帯コンピューティング分野における最新・標準技術の紹介。同市場の動向や課題点を扱うセッションも幅広く設けられる。

 

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