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結果が日米両国への勝利となるように
Civic Service, Inc.
Senior Vice President, Dr. Marjory Searing
日米間におけるビジネスの本質を考慮する際、両国企業の経営幹部がその「全体像」
を見落としてしまうことがある。ましてや太平洋の向こう岸に難なく辿り着けるよ
う、第三者にアドバイスを求めるともなると困難を極める。特に、政治的な関係が介
在している場合は尚更のことだ。そのため、政界で堅固な橋を架ける人物は稀である
と同時に、コンサルテーションのリソースとしても貴重である。Dr. Marjory
Searing−米国商務省のコマーシャルサービス担当商務次官補兼局長として活躍し、
クリントン政権では数年間に渡り建設、医療、自動車産業での主要な条約を成功させ
るよう協議の先導に立った彼女は、正にそのひとりである。Dr. Searingを称える 数々の功績には、Organization of
Women in International Trade(国際貿易に関わ る女性の会)が選んだ2000年度「OWIT Woman
of the Year」の受賞も挙げられる。今 月のBridge BuilderにはDr.
Searingを迎え、日米間におけるビジネス関係の本質に ついて話を伺った。
Q. Dr. Searing、Civic
Service以前の経歴について教えていただけますか。
A. Civic Serviceには昨年の2月にSenior Vice
Presidentとして参画しました。その 以前までは米商務省ならびに財務省に勤めており、商務省ではクリントン前大統領の
指名と上院からの承認を得てコマーシャルサービス(U.S. Commercial Service)の
商務次官補兼局長に就きました。このU.S. Commercial Serviceでは、米国各地に点
在するオフィスネットワークの他に世界中のビジネスセンターに従事する1700人の職
員を管理しており、我々のミッションは輸出活動の促進、米国内外において国際商取
引を展開する米国企業の支援、新市場の発見、世界規模での販売量および市場占有率
の拡大を目指したものでした。また、アジア太平洋地域および日本に対してはそれぞ れ次官補代理(Deputy Assistant
Secretary)として、同地域の諸外国との貿易問題 に関する主要政策のアドバイザを務めました。その以前は建設、自動車製品、医薬品
および医療機器など複数の産業分野において日本との交渉を指揮したり、政策勧告の
開発、中国や日本をはじめとするアジア諸国の経済および政治動向の分析にもあたっ
ておりました。さらに遡って、連邦政府では当初、財務省にて東西経済政策室 (Office of East-West Economic
Policy)ならびに多国間渉外室(Office of Multilateral
Affairs)の室長をはじめ国際分野での様々な役職に就き、現在の世界 貿易機構(WTO:World Trade
Organization)を導いたGATTウルグアイラウンド交渉 に対する商務省の参加を管理しておりました。
Q. 官民それぞれの分野で非常に広くご活躍されていますね。日本では政府関係者が
このように民間の領域にも関っていくのが一般的ですが、Dr. Searingの経験上、ア メリカでも同じ様な傾向があると思われますか?
また、仕事のやり方について行政 と民間をどのように比較されますか?
A. 日本の政府機関で働く多くの公務員と同じ様に、昨年の定年を迎えるまでは、
キャリア公務員として長年に渡り連邦政府にて務めました。同世代で私と似たような
経歴を持つ同僚も、その多くが政府機関での職務を離れた後、民間事業へ移行してい ますしね。
最近では、連邦政府において終身勤務を果たす公務員の数が徐々に減少してい
ます。連邦政府で培った貴重な経験を糧に、民間で新たなキャリアスタートを切ろう
というのが目的だと思います。こういった傾向については、(就労者の)頻繁な転職
が一般化した米国の雇用情勢全体での本質的な変化を反映したものだと思います。ま
た、行政と民間との間の少なからぬ給与格差もこの動きに影響していると言えます ね。
勿論、政治的公務員は職務を任命した大統領の任期が、連邦政府での最長勤務 期間となるわけです。
現在は小規模のコンサルティング会社に勤めていますが、ここには政治の世界
で得た経験とはかなり異なる部分もあれば、重要な類似事項もあります。先ほど小規
模と言いましたが、これは大きな利点と言えます。以前は大規模な官僚体制を舞台
に、様々な概念や計画を推し進める上での難しさや障害に直面していました。およそ
2000人の雇用者と2億ドルにものぼる予算を監督しつつ、外国政府との交渉を成功に
終わらせなければならない、といったストレスもありました。でも、今ではそのどれ
をも感じていません。ただ、これまでの経験を活かし、商務省時代からやり取りの
あった企業とは引き続き仕事をしていますし、それが企業の発展に貢献しているもの と信じております。
その一方で、連邦政府での職務を通じて実に素晴らしい経験ができたと思って
います。それは、政府内外で活躍している意欲旺盛で非常に優秀な方々と共に、最高
の仕事をやり遂げたという実感なんですね。また、アメリカ合衆国の経済発展を目指
した職務から得た充足感は、他には例えようのない貴重なものです。連邦政府で培っ
たキャリアは名誉であり、そして特権であることは自分自身の中でこの先も変わらず 感じていくことでしょうね。
Q. Dr. Searingの経歴上、日本との関りはあると思いますが、現在Civic
Serviceで はどのような役割を果たされていますか?
A. Civic
Serviceは外交関係や経営管理に関するコンサルティング会社で、アドバイ
スや情報の他にワシントンおよび日本で活躍する主要な意思決定者へのアクセスを提
供しています。ワシントンD.C.のオフィスではSenior Vice Presidentとして日常業
務を遂行しながら、若手スタッフの監督および指導を行っていますが、やはり電気通
信、医薬、金融サービス、医療といった産業分野に介在する日米両国の巨大企業をは
じめとするクライアントと過ごす時間が業務の大半を占めますね。
Q. 日米間における経済関係の両面に立ったビジネスは、Bridge Builderの読者に
とって関心の高いトピックですが、官民両方の観点に立って、日本人と職務を遂行す
る上での難しさや課題についてはどのように見ていらっしゃいますか。
A. 政府での私の責務は、日米両国間の関係において当時困難とされていた幾つもの
貿易問題を管理していくことでした。私にとって最大の課題は、我々のクライアント
である米国企業にとって役に立つような策を施したり、必要とされる改善を行いたい
場合に、取引の相手先である日本人からどんな方法で賛同を得るかに試行錯誤したこ
とですね。自身の経験から申し上げると、日米間のビジネスを成功させるには実に多 くの事柄が要求されるわけです。例えば:
- 日米両国の関心事において解決策を見出すこと、
- 取引を行う日本人との間に信頼関係を築くこと、
- 取引先の立場や姿勢を方向付ける日本での制約や様々な要因を理解すること、
- 何が米国の民間企業を満足させるのかを把握しておくこと、
- 結果が日米両国側の「勝利」となることが絶対条件だと常に念頭に置いておくこと
等がそれに当ります。これまでの経験と構築してきた様々な関係から得た多くの事
が、今日の仕事、つまり日米両国が抱える諸問題の解決策を見出す際に、クライアン
トへの支援や助言を行う上で役立っています。一方で、近年における日米間の通商関
係は、90年代の初頭から中盤にかけてメディアの見出しを賑わせた摩擦問題とは大き く異なり、より成熟したものになっています。
日米両国の民間企業は、(両国の)政府間のやり取りよりも、むしろ自社が直面して
いる規制環境やその変化の仕方、有益な戦略提携先の開拓、さらには行政のありかた
を理解しながら、利益向上に繋がる方法でコミュニケーションを図る、といった事に より高い関心を示してるんですね。
Q. 当社のニュースレターは、日米間でビジネスを展開する経営者の方々にも読んで
頂いてます。読者に対して、両国側の管理やグローバルビジネスの在り方についてア ドバイス等があれば教えてください。
A. やはり焦らずに、(自社が)介在している市場を熟知する上で必要な投資を行う
ことです。この「投資」とは製品ラインに関する市場調査に留まらず、規制やビジネ
ス自体に関する幅広い知識と理解を得ることも意味します。とりわけ高く統制された 産業や政治環境についての調査は必要になります。
インタビューにお応え頂き有難うございました。
今回のBridge Builderでご紹介した Dr. Searing (Civic
Services,Inc.)のメールアドレス:
Marjory_Searing@csidc.com
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