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What's NewAJune, 2003

Market Snapshot - 米国のIT市場をみる
今月のテーマ: 携帯電話の新活用術−VoWLAN

米国のIT業界における注目市場を月替わりで紹介する「Market Snapshot」では、市場の全体像やトレンドをわかりやすく説明。さらに役立つリンク集を活用すれば、該当市場や新製品に関するより具体的な情報も入手できます。当社では、特定の米国IT市場に関する調査をカスタマイズいたします。お問合わせは info@kanaboconsulting.com までどうぞ。

携帯電話の新活用術−VoWLAN

Market Snapshotのテーマで米国のWi-Fiネットワーク事情をご紹介してからちょうど一年が経つ(2002年5月号を参照)。その間、随所で見かけるようになった公共のホットスポットは、現在世界全体で約2万拠点と数えられ、2007年までには6倍の12万拠点に拡大すると予想されている。また、これらホットスポットの利用者数は2006年で5,000万人に達するとの見方がある(Gartner Dataquestより)。

公共のエリアに限らず、社内や家庭内においても無線LANの浸透速度は高まっている。こうした現状に着目したベンダ各社では、無線LANを利用した音声通信用の製品開発に取り組み始めた。In-Sat/MDRの調査結果によると、2002年に出荷された802.11b対応型ハンドセットは僅か3万台であり、このVoWLAN(Voice over WLAN)はまだまだ規模の小さい市場である。だが、その売上高は2002年の1650万ドルから2007年には5億700万ドルに増加するとの予測もあり、将来、高い成長性が期待されている。現在のところヘルスケア、高等教育機関、製造業、小売業を中心に市場機会を見出しているが、数年後は、企業がメインターゲットとなるようである。

これまで建物内のカバレッジに弱かった米国の無線キャリアにとって、企業ユーザの獲得は長年の課題であった。建物の外部にマイクロセルやピコセルを設置するのは必ずしも費用効果的でなかったり、仮に建物内のカバレッジに支障がなくても、無線機器より有線電話を好む米国人の嗜好がネックとされてきた。従ってVoWLAN技術の開発には、無線キャリアの頭痛を解消する(企業ユーザの獲得)という使命がある。ここで面白いのは、VoWLAN技術のベンダ各社が様々な市場から進出している点である。例えばVoIPのサプライヤであるCiscoやAvaya等が有線のIPネットワークから無線のそれへと移行したり、無線LANを得意とするSpectraLinkやSymbol Technologies、新興企業のVocera(バッジ装着式のデバイス)やTeleSym(ソフトフォン)も介在している。Ciscoでは最近、新製品を発表したが、これに続く他社の製品実用化にはもう少し時間がかかりそうだ。以下では、各社製品の開発状況について簡単に説明した:

□Motorola、Avaya、Proximの3社が共同で携帯電話ネットワークおよびWi-Fi無線LANに対応した移動体機器を開発。ユーザは、セルラーおよび無線ネットワーク間で移動しながら音声通話を継続できる。2004年の一般出荷を目標に、今年後半から試験運用を予定。

□Cisco Systemでは今年6月より携帯型Wi-Fi電話「7920」の販売を開始する予定。イーサネット接続により音声通話を行う同社製IP電話「7960」の無線バージョンで、社内のWi-Fiネットワークを介して接続する携帯電話が付属する。

□Symbol Technologiesは昨年、トラック運転者を対象にWi-Fi/携帯電話通信システムを発表。運転中にセルラー電話を通じて、各日の配達件数など必要情報を送信したり、Wi-Fi装備のドックではより具体的な情報をアップ・ダウンロードできる。

□Nextel CommunicationsではMotorolaとの連携により、携帯型のWi-Fi電話を開発。プロトタイプの試験運用は2003年Q2に予定されている。

前述した通り、今のところ限られた垂直市場においてではあるが、VoWLAN機器の利用は拡大傾向にある。今後、米国においてその成長を左右するのは、無線キャリアによる企業ユーザへの積極的なサービス提供である。例えば、企業に対してデータ/音声ゲートウェイを提供できれば、サービスを無線LAN環境全体に供給することも可能である。これを実現する上で、キャリア各社はSI企業やハードウエア・メーカーとの提携関係に力を入れていくべきであろう。また、ベンダにとっては、バッテリー寿命の長い携帯型Wi-Fi電話機を開発していくことが、課題のひとつと言えそうだ。

今月の役立つリンク集:WLAN関連

Wi-Fi Networking News : 各日でWi-Fi、IEEE 802.11規格関連のニュースを公表している。

Wi-Fi Alliance 国際標準化機構の公式サイト。Wi-Fi関連の各種記事や用語集が充実。

802.11 Planet 業界ニュースや新製品の発表、セキュリティ関連情報を掲載。

Rising Company - TeleSym社

TeleSym Inc.(テレシム)

■創設時期: 2000年5月

■ステータス: 未公開企業

■所在地:11911 NE 1st Street Suite 210 Bellevue, Washington 98005

■連絡先: Tel:425-467-9485 Fax:425-467-5875

■URL: www.telesym.com

■従業員数:20名(2003年3月)

■売上実績など: 2002年3月よりベータテストを開始し、同年9月にSymPhone N SystemおよびSymPhone NP Systemを発表。続いて2003年3月にはSymPhone Softwareの販売を開始した。同社では、2004年末までに損益分岐点に達するものと見込んでいる。

■経営陣:Raju Gulabani(CEO兼会長:MicrosoftではProduct Unit Managerを務めた)、Dr. Karl Denninghoff(CTO:Microsoftにてサーバ・アプライアンスの設計を担当)、Joe Dodson(VP of Marketing and Business Development:AirTouchをはじめUS West Cellular、US West、NWAyer各社で管理職を歴任)、Pete Price(CFO:後にAlcatelが買収したPacket Engines, Inc.の前VP Finance兼CFO)、Dan Lykken(VP World Wide Sales:Meridian Venture Catalyst、Sequent Computer Systems、NCR各社で管理職に就いていた)

■最近の資金調達状況:現在までに調達した資金総額は$500万。Bay Partners、 Intel Capital、Northwest Venture Associatesが主な投資企業。最近の投資ラウンド(シリーズB)で調達した資金は今後、販売・営業に運用していく予定。

■主な提携先:3Com、Intermec、Intel等(近年、Intelとの間では投資の他に、販売やマーケティングに関する契約が成立)。

■事業概要と保有技術の特徴: 同社CEOのRaju Gulabani氏が、MicrosoftでProduct Unit Managerを務めるなど25年以上に及ぶエンジニアとしての経験を活かし、Karl Denninghoff氏(CTO)と共同で設立した会社。特許申請中のオーディオ・コーデック、圧縮アルゴリズム、プロトコル・スタック、レイテンシー管理システムに基づき、IPパケットの損失などが課題とされる802.11環境でも高音質の音声通話を可能にするシステムを開発。

企業向けの主力製品SymPhone Systemは、指定されたアクセスポイントの範囲内であれば、同一のネットワークを介してPDAなどモバイル機器間での通話や国際通話を可能にするものだ。SymPhone System Nは、企業のファイヤーウォール内にあるPDA間で無料通話を実行するもので、これら電子機器を携帯電話として機能させるSymPhone Client Software(画面上にダイアルパッドと電話帳を表示)と、社内イントラネットまたはインターネット上でSymPhone Client間の通話を接続するSymPhone Call Serverとで構成されている。 一方、SymPhone System NPは、これに企業のPBXを通じてPSTNへ接続するSymPhone PBX Connector(ユーザ機器と外部の一般電話との間で通話を行う機能)を追加したものである。

近年、携帯電話機能を備えたPDAをよく見かけるが、同社では@サーバを利用し、建物内の音声通信ネットワークを簡単に構築できること、A他社製品に比べてジッターや遅延対策に優れていること、Bイントラ/インターネット経由の長距離通話でコスト削減が図れること、C導入コストが比較的安価なこと(上記2種のサーバソフトはセットで $3500、クライアント・ソフトウエアはPDA一台につき$300〜$400程度)などを自社製品の主な強みとしている。導入実績はまだ少ないものの、SymPhone Softwareは2002年Internet Telephony Conference & Expo(サンディエゴ市で開催)でBest of Showに、 『Internet Telephony』誌ではProduct of the Yearに選ばれた製品である。同社製品のターゲットは米国のエンタープライズ市場に徹底しているが、将来的には日本(日本の営業所:神奈川県茅ヶ崎市松ヶ丘1-6-74 Tel:(0467)89‐2955)、韓国、台湾、中国本土などアジア地域を皮切りに、イギリスへの事業拡大も視野に入れている。

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This Month's Bridge Builder
Featuring the real voice of IT across the Pacific

June, 2003 

時機を得た日本企業への投資

T. Timothy Ryan Jr.氏

JPMorganChase, Global Government Institutions Group, Managing Director

日本のバブル経済が終焉して以来、銀行の不良債権など金融業界の低迷をはじめと し、日本政府は問題点の認識とその解決策の解明に奔走してきた。事実、採算性の低 い企業へこれらの金融機関が貸出しを行うといった悪循環を打開するため、組織再編 の兆しも見え始めている。日本に対する海外投資家らは、こうした組織の梃入れに期待感を抱いているが、彼らは、日本政府がこれに見合うほど組織改革に対して積極的 ではないと感じている。U.S.-Japan Foundation(米日財団)のディレクタであり、日米両国の官民両セクターで構成された委員会のメンバーとして、企業再編成に取り組むT. Timothy Ryan Jr.氏(JPMorganChase Global Government Institutions Group Managing Director)は、今年は日本にとって、過去12、3年にわたる組織改革への努 力が実を結ぶ年になると見込んでいる。今月のBridge Builderでは、近年、JETRO (Japan External Trade Organization) San Francisco主催による「(re)Structuring Success: Solid Foundations for Building your Business in Japan」シンポジウム にて、同氏の語った日本経済の現状と、投資家にとって前向きな展望をご紹介したい。

ディスカッションの冒頭でRyan氏は、輸出額と生産率の減少、断続的なデフレ状況や 高齢化社会の進行により、中期的に見た場合、日本経済はそれほど強くはない。しか し、こうした現状にありながらも、貯蓄率が低下する一方で資本支出額の増加、輸出 業者にとって望ましい為替レート(¥115=1USD)の動きなど経済を支える見通しの 明るい要素も指摘した。また、米国と同様、日本でも他のアジア地域など製造業務が 海外に流出しているが、サービス部門では人材登用の門戸が開かれている。

産業別で言うと、海外の大手企業に対して日本の強力なIT市場は、主に高度なインフ ラとブロードバンドの普及、整備によって、依然とその位置を確保していくであろう し、日本市場向けに開発された多様なコア技術が今後、グローバルスタンダードとし て発展する可能性もある。この他、高齢化社会を迎えている日本では、看護サービス や新薬の開発に需要が伸びており、ヘルスケア産業の成長機会も期待されている。ま た、同産業では効率性の強化、改善も求められているため、画期的なソリューション が歓迎されるエリアでもある。

一方、バンキングおよび投資について同氏は、組織再編成には課題があるものの、進展は見られると指摘した。例えば、RCC(Resolution and Correction Corporation:整理回収機構)による不良債権の買取は以前より増加している。近年では、業績不振の企業にそれぞ れ適切な投資家を紹介するなど、日本企業の改造を担うIRC(Industrial Revitalization Corporation:産業再生機構)も設置された。Ryan氏はこのIRCを「フィットネス・クラブ」、投資家らを「パーソナル・トレーナ」に例えて、こうした企業のエクササ イズプランを説明していた。現在、日本企業への投資に積極的な企投資企業には、Ripplewood Holdingsなどが挙げられる(日本テレコム、新生銀行を買収)。Ripplewoodは、経済低迷にありながらも、日本は多くの産業において、生産工程と製 品技術のいずれでもリーダ的役割を担っており、その位置付けは今後も変わらないとの見方を持っている。Ripplewoodは、日本のビジネスにおける新しいルールが、海外 企業によるM&Aや規制緩和を促進するものとして、これを上手に利用している。

JETRO主催の各種イベントや事業に関する詳細は、土井さん(Director of Trade and Investment Promotion:415-392-1333)まで、または下記ウエブサイトでご覧いただけます。 www.jetro.org/sanfrancisco

前回までのインタビュー

Upcoming Events,

MacWorld Conference and Expo
2003年7月14日〜7月18日, Jacob K. Javits Convention Center ニューヨーク州ニューヨーク

マックを使い、メディア産業やクリエイティブなコンテンツ開発に携わる人々から高い関心を集めているイベント。今年は100社余りの企業が出展を予定している。

Data Mining and Data Warehousing
2003年7月28日〜7月29日, Hilton Alexandria Mark Center バージニア州アレキサンドリア

世界規模の大手製薬会社を実例に、効果的なデータ・ウエアハウスの活用方法やデーマイニングにおける戦略、HIPAA規則に関する問題点などに焦点を当てる。

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