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What's NewAApril, 2005

Market Snapshot - 米国のIT市場をみる
今月のテーマ:PCメーカで賑わうホームネットワーキング市場【第一回】

国のIT業界における注目市場を月替わりで紹介する「Market Snapshot」では、市場の全体像やトレンドをわかりやすく説明。さらに役立つリンク集を活用すれば、該当市場や新製品に関するより具体的な情報も入手できます。当社では、特定の米国IT市場に関する調査をカスタマイズいたします。お問合わせは info@kanaboconsulting.com までどうぞ。

PCメーカで賑わうホームネットワーキング市場【第一回】 

今月のMarket Snapshotでは、米国のホームネットワーキング市場をテーマに3回に分けてお話をしたい。Microsoftを筆頭にDellやGatewayなど昨今のPCメーカ各社は、本来のPC生産に加え、ホームネットワーキング分野にも積極的に取組んでいる。今年初頭にラスベガス(ネバダ州)で開催されたConsumer Electronics Show(以下CES)では、保守派とされるHPでも最新のデジタルカメラをはじめテレビ、iPodなど幅広い製品ラインを発表した。

PCメーカは標準化によって開発作業を促進する一方、顧客・保守サービスを充実させることで量産と差別化に努めてきた。その結果、価格の低下と簡素な導入技術の発達により、90年代中盤以降はPCの売上が大幅に伸びたのである。同時に、家庭内に設置した複数のPC間でブロードバンド接続サービスを共有するなど合理的なニーズに特化しながら、データネットワークも急速な成長を遂げた。このようにPC価格の引き下げ、ブロードバンド接続技術の高い普及率、各種家電製品のデジタル化、無線ネットワーキング敷設作業の簡易化が特に若い世代を中心にエンターテインメント分野への関心を大きく惹いた。米国人のPC利用目的はビデオゲームをトップに音楽鑑賞、CD/DVD制作、デジタル写真の編集、DVDの再生、デジタル写真のスライドショー制作、テレビの視聴、ビデオ編集、テレビ番組録画の順に続いている。また、エンターテインメントの種類や幅が広がるにつれ、コンテンツの活用方法にも変化が出てきた。PC上のコンテンツを家電製品や携帯機器と連動させることで「娯楽の場」が拡大しているのである。

大手PCメーカ各社では、独自の工夫を凝らしたホームネットワーキング対応製品を開発し、2000年あたりから消費市場へと力を入れ始めた。Microsoftを例に取ると、メディアPC(マルチメディアデータの保存・管理機能を標準搭載したコンピュータ)をはじめデジタルエンターテインメント関連製品には、今後200億ドルを投入する計画である。現在、米国内ではインターネット加入世帯の約半数がホームネットワーキングに関心を持っており、その導入事例も2003年の1,300万世帯から2009年にはおよそ3,000万世帯に達するとの見込みがある。また、ホームネットワーキングへの需要は、建築様式にも影響を与えている。例えば、米国内で2002年に新築された住宅の42%にはホームネットワーキング敷設用のインフラが整備されており、標準装備となる傾向が見られる(Parks Associatesより:http://www.parksassociates.com/ )。

来月号の記事では、ホームネットワーキング製品開発に特化したベンチャー企業数社の紹介と各種製品の利用状況について触れる 。

Rising Company - Blinkx社

Blinkx(ブリンクス)

■創設年:2003年

■ステータス:未公開企業

■所在地:San Francisco, CA(海外拠点をLondon, UKに置く) ■連絡先:Tel:(415) 392 8282

■URL: www.blinkx.com 

■社員数:28名(2005年4月現在)

■主な経営陣: Suranga Chandratillake氏(共同設立者およびCTO:コンテンツ管理用ソフトの英国 企業Autonomy社の前CTO)、Mark Opzoomer氏(CEO:2001年〜2003年までYahoo!社に てEuropean Managing DirectorおよびRegional VPを務めた)、Jonathan Gregg氏 (VP of Business Development:Yahoo!社では7年間に渡りManager of Global Alliancesとして活躍)

■最近の資金調達状況: 会社設立に際し、6名のエンジェル投資家らを中心に900万ドルを調達。現在、シリー ズAラウンドにて2,000万ドルの資金調達に取組んでいる(参加投資家の詳細情報は公 開されていない)。

■事業概要および製品の特長: 本来、Autonomy社(コンテンツ管理用ソフトの開発企業)のエンジニアグループが、 自社技術の一部をライセンス契約した事がきかっけで設立。デスクトップに常駐した 同社製ソフトでは、クライアントPC内を高速検索したり、電子メールやウエブサイト などでの表示文書を基にウエブ検索の個人化を実行。過去に閲覧・検索した情報源を 自動的に記憶する「Stuff I’ve seen」と呼ばれるユニークな機能も搭載されてい る。オンライン検索の分野ではYahoo!、MSN、Googleが大手とされるが、新興企業の 中では、Blinkx社が独自の検索サービスで業界から注目を集めている。この新サービ ス「blinkx.tv」は、テレビ番組等からインターネット上で動画コンテンツを検索す るもの。欧米20以上の放送局(地上および衛星)、ラジオ局の他インターネットから も収集された番組コンテンツ(画像および音声)をデジタル化し、再生ウィンドウで ストリーミングする。高性能な音声認識技術で抽出されたキーワードを含むインデッ クスは4万7,000時間分のビデオコンテンツで構成(2005年4月現在)。前述の大手各 社でも、既に動画コンテンツの検索サービスに乗り出している(Yahoo!およびGoogle は現在ベータ試験中)が、Blinkx社の検索機能に対する主な差別化は、単純なキー ワード検索に終始するのではなく、その背後にある「コンテクスト」まで識別した上 で、絞り込まれたコンテンツのみを関連度の高い順に表示する点だ。また、BBC放送 やESPAN、Fox News、Reuters等の大手メディア企業との提携関係が、多種多様なビデ オニュースクリップからの検索に大きく貢献している。

■収益モデル等: 現在までのところ、同社から売上状況に関する情報は発表されていないが、将来的な 収益モデルとして以下2つのアプローチが検討されている: 1.配信ネットワークモデル:blinkx.tv経由でコンテンツ所有者のサイトに入って くる配信トラフィックに課金する方法。コンテンツ所有者は、同社に定額料金を支払 うか、Blinkx社の配信トラフィックで派生した売上を分配する方法を選択する。 2.メディア企業等とのライセンス契約に基づき、コンテンツのインデックス化を行 う。各コンテンツを再生する前に、契約先をビデオ宣伝することで、広告収益を期待 したもの。メディア企業との間では、広告表示を条件にコンテンツの無償利用が認め られる 。

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This Month's Bridge Builder
Featuring the real voice of IT across the Pacific

May, 2005 

比較論の観点から日本政治を研究する第一人者

カリフォルニア大学バークレイ校The Institute of East Asian Studies所長

T.J. Pempel教授

今回のBridge Builderでは、現代日本政治の研究家T.J. Pempel教授にお話を伺った。同氏の見解によると、アメリカ人による日本研究の歴史は3つの世代に大別される。先ずは20世紀前半、宣教活動を行う家族の一員として日本の文化を身近に体験した第一世代(ライシャワー元駐日大使に代表される)に始まり、50〜60年代における米軍駐留時代には数多くのアメリカ人が日本へ派遣された。この第二世代を生んだ駐留時代の終焉から暫く経った後も、軍事的責務に関連して日本を訪れたアメリカ人は多く存在した。Pempel教授もそのひとりだが、同氏は63〜64年の任期中に国語、文化、世界における日本の位置付け等を研究。現代の日本研究分野では、第三世代を代表する研究家として国内外を問わず広く知られる人物だ。

Pempel教授は、日本研究の中でも「比較政治学」という特有の分野を開拓し、学術界に目を見張る功績を残してきた。その一環として、比較論の観点から日本の政治体制を研究した学術論文や著書は多数にのぼる。米コーネル大学で20年近く教鞭を採った後、2001年7月、カリフォルニア大学バークレイ校の政治科学研究科に教育の場を移し、翌年1月からは同大学付属Institute of East Asian Studiesの所長も兼任している。今月のBridge Builderでは、 Pempel教授の学術界における豊富な経験に併せ、昨今の日本に対する見解についてもお話を伺った。

Q. 日本へご関心を持たれたきっかけについて教えていただけますか?

A. 日本を初めて訪れたのは、1963年、米海兵隊の岩国基地に派遣された時でした。当時、基地の半径1マイルには186軒のバーが立ち並び、大半の海兵隊員は基地内やその周辺での生活に満足していたんですが、私は逆に他の場所にも足を伸ばして地元民の生活に触れてみたいと思い、クラシック音楽のかかる喫茶店に通い始めました。実際には、これが日本と日本人に対して関心を抱くきっかけになったんですね。ですから、帰国後、入学したコロンビア大学では、履修言語に日本語を選択しました。その後、優等学士号の論文で自由民主党を主題にした事も、日本政治に強く惹かれた理由になったと思います。博士課程では、日本政治に対する研究をさらに掘り下げましたが、そのうちに「日本の政治は他国のそれとどう比較できるか」という疑問が湧いてきたんですね。1972年に初めて就いた教職は、コーネル大学のDepartment of Governmentでしたが、そのころ既に、日本政治を比較論の立場から研究する分野では数少ない学者のひとりになっていました。長年に渡る研究の結果、米連邦政府との違いはあるものの、欧州地域の国によっては日本の官僚制度との接点も見えてきました。また、私の研究は、例えば日本の経済成長における政治の在り方など経済の観点から政治を見る事にも重きを置いています。

Q. これまで、日本の捉え方について影響を与えた著書や論文を多数発表されてきましたが、ご自身にとって特に印象深い出版物にはどのようなものがありますか?

A. 1977年、当時コーネル大学の大学院生であった恒川恵市氏(現東京大学教授)との共著論文『労働なきコーポラティズム』が挙げられると思います。コーポラティズムは、社会の様々な階層や個々人の利害を職業団体をはじめ企業、労働組合、連合体等の諸組織で集約・調整する政治体制を指します。こうした体制においては、何らかの問題に直面した場合、構成員の間で直接的な交渉が行われるのが特徴です。 例えば70年代に勃発した石油ショックに関して言うと、コーポラティズムに傾倒した諸国では、国内で対応策を統一させ、当面の問題から迅速に切り抜けることができたんですね。同論文では、概してコーポラティズムを尊重する国にとって不可欠な要素、つまり「労使」が欠如していたにもかかわらず、日本がいかにして石油ショックから早期回復できたかに着目しました。私自身の理論では、日本の労使は国政レベルで弱い上、一般的に勤務先の経営管理者とも対立的な関係にないため、経済発展を妨害するような存在ではないわけです。この論文は、我々独自の見識や、日本以外の国にも理論的に応用できる点で評価を受けました。欧州のコーポラティズムが労使を持たない例は稀ですが、今日もなお多数の欧州諸国が我々の理論を参考にしています。 もうひとつ、『Uncommon Democracies:The One-Party Dominant Regimes』という著書も私の研究成果を非常に良く反映したものです。同書では日本、イスラエル、スウェーデン、イタリア各国について、民主主義でありながらも、ひとつの政党が長期に渡り支配的立場を維持(35年以上というケースが多く見られる)するようになった背景を分析しました。

Q. 今日の日本、特に中国との関係についてはどのような見解をお持ちですか?

A. 日本、中国、その他アジア諸国が抱える課題は、リージョナリズムと同地域で一貫したアジェンダの両方が欠如している点です。90年代の初頭には、アジア諸国間における自由貿易を促進し、同地域における経済成長の成果を各国が共有できるようASEAN(東南アジア諸国連合)が働きかけた事で、ようやく一体化に向けてアジア全体が動き出しました。そうした矢先、97〜98年の金融危機に直面した際にこうした問題を回避し得なかった事は、すなわちアジア諸国の協力関係が本格的ではなかった事実を浮き彫りにしました。 近年における中国経済の隆盛は、日本と中国の双方にとって利益をもたらすはずですが、経済および制度の両面で互いに密接な関係があってこそ、実現するものなんですね。欧州地域を例に挙げると、フランスとドイツの関係がこれに相当します。これら2国は歴史的な対立関係を乗越え、特に鉄鋼産業の分野で強力な関係を築きあげました。その結果、両国に利益をもたらすビジネス関係が成立したわけです。それから日本については、海外の直接投資に対する政策を改善する必要もあると思います。最近では、海外投資の大半がかつての日本から中国へと移行しつつありますが、こうした状況に歯止めをかけるためにも、日本は海外投資に関連した規制等を見直す時期にあると思います。 

前回までのインタビュー

Upcoming Events,

Cyber Warrior IT Security Training
2005年6月6日〜10日, Northrop Grumman Space Technology Park カリフォルニア州Redondoビーチ 

Supercomm 2005
2005年6月6日〜9日, McCormick Place イリノイ州シカゴ  

IT Asset Management Conference
2005年6月13日〜17日, Hilton San Diego Resort カリフォルニア州サンディエゴ  

Business Process Management Conference Series
2005年6月28日〜29日, カリフォルニア州サンフランシスコ

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