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Market Snapshot
- 米国のIT市場をみる
今月のテーマ:電力線ブロードバンド技術 市場確立の本格始動【前編】
米国のIT業界における注目市場を月替わりで紹介する「Market Snapshot」では、市場の全体像やトレンドをわかりやすく説明。さらに役立つリンク集を活用すれば、該当市場や新製品に関するより具体的な情報も入手できます。当社では、特定の米国IT市場に関する調査をカスタマイズいたします。お問合わせは
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までどうぞ。
電力線ブロードバンド技術 市場確立の本格始動【前編】
メタリックケーブル、光ファイバー、無線に続くブロードバンド回線の選択肢とし
て、電力線の利用がにわかに脚光を浴びている。技術面だけではなく、規制緩和、業
界、投資家などさまざまな面での後押しが始まっている。Market Snapshotでは、こ
うした米国における電力線ブロードバンド技術の現状について前編・後編の2回に分 けて検証していく。
ブロードバンド技術の普及において、ラストワンマイルの高速化を確保する事は依然
として難しい。大規模な範囲で光ファイバを敷設すれば解決できる問題かもしれない
が、費用の面で実現しがたい。こうした現状に直面し、世界各国では90年代から、既
存の電力線を伝送路として高速データ通信およびインターネットサービスを供給する Broadband over Power Line(以下BPL)‐電力線通信(電線ネットや電力線搬送通信
とも呼ばれる)に取り組んできた。世界全体におけるBPLの導入規模は、2004年の
5,710万ドルから2011年には44億ドルへと大幅な拡大が予想される(出典: Telecommunication Trends
International)。現在のところ、スペインやポルトガル
が牽引する欧州の他、シンガポールや香港などアジア地域での実用化が進んでいる。
大規模な導入に成功している海外国の多くでは、240Voltの電力線が使われており、
一台の変圧器で200〜250世帯への電力供給が可能である。一方、米国では120Voltを
標準とするため、各変圧器では8世帯弱しか対応できない。米国では、ケーブルやDSL
に続く高速インターネット接続技術の新たな選択肢として期待されていたにも関わら
ず、技術面(特に無線電波との干渉問題が大きく採り上げられてきた)やコスト面で
の課題を抱え、広範囲での実用化を懸念する向きの方が強かった。
しかし、今年の7月、BPLサービスを提供する新興企業のCurrent Communications
Group社(メリーランド州ジャーマンタウン市:http://www.currentgroup.com)に対
し、Google社をはじめGoldman Sachs、 Hearst等が総額1億ドルを投資した事を受
け、その様相がにわかに変化し始めた。これに続き、IBM社でも電力会社CenterPoint
Energy社(テキサス州ヒューストン市:http://www.CenterPointEnergy.com)との間
で提携を組み、ヒューストン地域の約220世帯を対象に8月末までBPLの試験サービス
を実施すると発表。IBM社では、今後、BPL関連機器に向けたシステム統合や管理ソ
リューションの展開に期待を寄せている。勿論、BPL技術に本腰を入れているのは、
先に挙げた巨大企業に限らない。現在、米国内では20社を超える電力会社が試験サー
ビスの実施を計画しているが、地域によっては既に商用化を開始したところもある。 事実、2004年においては、全米で25万世帯に対しBPLサービスへの加入が既に選択肢
として与えられていた(出典:Electric Utility Week誌)。
Research and Markets社の調査結果によると、米国内のブロードバンド加入者がBPL
サービスを選択する割合は、2012年までに既存顧客で13%、新規では33%に達すると
予測される。消費者側の将来的な期待は、宅内のコンセントから直接、手頃な料金で
トリプルプレイサービス(音声/ビデオ/データ通信の統合)を受信できる点にあ
る。また、BPL市場も2006年から2012年にかけて106%の複合年間成長率で拡大すると
見込まれている。この数値を裏付けているのは、ブロードバンドサービスの供給を検
討する電力会社の割合が、2000年の6%から2003年には20%に増加した事実である。
これら企業の大半では、5年〜6年以内にブロードバンドサービス市場の2割を獲得で
きると見通している。では、通信技術を専門としない電力会社が、BPL事業に力を入
れている理由とは何か?それには、運用面での管理強化とコスト効率の引き上げがあ
る。BPL技術を敷設すれば、電力網の設置機器が双方間で通信可能になる−つまり、
グリッド環境を組成する事もできる。概して、電力会社がエネルギー供給先の状態を
把握するのは難しいものだが、この環境を利用すれば、電力メータの自動読み取りや
関連装置の常時監視、ネットワークの状態分析等を管理できる。時間や労働力の削減
はもとより、停電の可能性を的確に予測したり、復旧作業の迅速化を図る上での価値 は大きい。(本記事の続きは次号の後編にてご紹介いたします)
本文は月刊『インターネットマガジン』誌(株式会社インプレス発行:2005年10月
号)で掲載した記事の一部を抜粋したものです。『インターネットマガジン』誌に関 する詳細情報はhttp://internet.impress.co.jp/rim/
をご覧ください。
Rising Company - FilmLoop社
FilmLoop(フィルムループ)
■設立年:2005年
■ステータス:未公開企業
■所在地:Palo Alto, CA
■連絡先:www.filmloop.com/contactus.html
■URL:www.filmloop.com
■社員数:28名(2006年5月現在)
■主な経営陣: Kyle Mashima氏(共同設立者およびCEO:Adobe社の前VP of Strategic
Development)、Prescott Lee(共同設立者および会長:ウェブサイトコミュニティ eCircles.comの前CEO)
■最近の資金調達状況: 2006年4月下旬、新規投資機関であるComVentures Partnerの牽引によりシリーズBラ
ウンドで700万ドルを確保。既存のGlobespan Capital Partners、Garage Technology
Venturesもこれに参加した。今回の調達資金は、自社技術の開発活動を続行すると同
時に、広告面での提携関係を構築する目的で運用される。また、投資条件として ComVentures PartnerのRoland Van
de Meer氏がFilmLoop社の取締役員に就任する方
針。同社は、2005年2月に完了させたシリーズAラウンドでも既に550万ドルを獲得し
ているが、今後12ヶ月〜14ヶ月の間にシリーズCで更なる資金拡張を予定している。
■事業概要および製品の特長: ユーザ間でデジタル写真の検索、編集、共有が可能な写真共有ソフトを開発。利用者
は、専用のプレイヤーをダウンロード後、ドラッグ&ドロップ操作でデジタル写真を
ループ(スライドショー)の中に掲載すると、映画のフィルムのように画面を横断す
る形でイメージがスライド表示される。無償でダウンロードできる同サービスでは、
ユーザグループに電子メールでこのループを送信すると、いずれのユーザもこれに写
真を追加することができ、追加写真は各自のループに即時、表示される。ループ内の
ユーザ間では、この共有ファイルへ写真の他にコメントやウェブリンクを追加するこ
とも可能。表示画面は、PCスクリーンの左右にまたがり、高さは最高で2インチ(約
5センチ)程度にまで拡大することができる。また、クリックオンでフルサイズに引
き伸ばしたり、ツールバーの中に保管することもできる。その他のサービスとして
は、スポーツやエンターテインメント、最新の出来事など毎日一回更新される情報を
写真で表示するニュースループも提供。写真によっては、3行〜5行に渡る概要説明
も表示される。また、eBayの商品検索をカスタマイズする機能も搭載。例えば、カシ
ミア製の赤いセーターを求めるユーザには、毎日、eBayに掲載された商品の写真が提
供されるため、実際のサイトを頻繁にチェックする手間が省けるといった利点もあ る。
■現在の収益モデル: 現在、無償で提供している同社のサービスは、ウェブサイトやループの中に広告表示
をする形で収入を得ている。広告に関しては、HP社をはじめNestle SA社、Turner Broadcasting
System社等の企業と提携関係にある。これら提携企業は、同社へ広告
料を支払い、自社コンテンツのループをそれぞれのウェブサイト、もしくはFilmLoop
のサイトに掲載している(実際の広告は、デジタルイメージのループ間を両脇から挟
む形で表示される)。また、eBay社も同社へコミッション料を支払っている。
■競合 YahooのFlickrでも確かに写真共有サービスを提供しているが、同社と全く同様の内
容、機能ではない。しかし、YahooやGoogle等の大手企業が今後、直接的な競合とな
る製品を開発すれば、ユーザベースに影響を与える可能性は高い。従って、自社サー
ビスを短期間でできる限り大きく成長させることで、これらの巨大企業と競合関係に
直面するよりは、むしろ買収へのチャンスに期待を寄せる向きがある。
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