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What's NewAMarch, 2006

Market Snapshot - 米国のIT市場をみる
今月のテーマ:電力線ブロードバンド技術 市場確立の本格始動【前編】

国のIT業界における注目市場を月替わりで紹介する「Market Snapshot」では、市場の全体像やトレンドをわかりやすく説明。さらに役立つリンク集を活用すれば、該当市場や新製品に関するより具体的な情報も入手できます。当社では、特定の米国IT市場に関する調査をカスタマイズいたします。お問合わせは info@kanaboconsulting.com までどうぞ。

電力線ブロードバンド技術 市場確立の本格始動【前編】 

メタリックケーブル、光ファイバー、無線に続くブロードバンド回線の選択肢とし て、電力線の利用がにわかに脚光を浴びている。技術面だけではなく、規制緩和、業 界、投資家などさまざまな面での後押しが始まっている。Market Snapshotでは、こ うした米国における電力線ブロードバンド技術の現状について前編・後編の2回に分 けて検証していく。

ブロードバンド技術の普及において、ラストワンマイルの高速化を確保する事は依然 として難しい。大規模な範囲で光ファイバを敷設すれば解決できる問題かもしれない が、費用の面で実現しがたい。こうした現状に直面し、世界各国では90年代から、既 存の電力線を伝送路として高速データ通信およびインターネットサービスを供給する Broadband over Power Line(以下BPL)‐電力線通信(電線ネットや電力線搬送通信 とも呼ばれる)に取り組んできた。世界全体におけるBPLの導入規模は、2004年の 5,710万ドルから2011年には44億ドルへと大幅な拡大が予想される(出典: Telecommunication Trends International)。現在のところ、スペインやポルトガル が牽引する欧州の他、シンガポールや香港などアジア地域での実用化が進んでいる。 大規模な導入に成功している海外国の多くでは、240Voltの電力線が使われており、 一台の変圧器で200〜250世帯への電力供給が可能である。一方、米国では120Voltを 標準とするため、各変圧器では8世帯弱しか対応できない。米国では、ケーブルやDSL に続く高速インターネット接続技術の新たな選択肢として期待されていたにも関わら ず、技術面(特に無線電波との干渉問題が大きく採り上げられてきた)やコスト面で の課題を抱え、広範囲での実用化を懸念する向きの方が強かった。

しかし、今年の7月、BPLサービスを提供する新興企業のCurrent Communications Group社(メリーランド州ジャーマンタウン市:http://www.currentgroup.com)に対 し、Google社をはじめGoldman Sachs、 Hearst等が総額1億ドルを投資した事を受 け、その様相がにわかに変化し始めた。これに続き、IBM社でも電力会社CenterPoint Energy社(テキサス州ヒューストン市:http://www.CenterPointEnergy.com)との間 で提携を組み、ヒューストン地域の約220世帯を対象に8月末までBPLの試験サービス を実施すると発表。IBM社では、今後、BPL関連機器に向けたシステム統合や管理ソ リューションの展開に期待を寄せている。勿論、BPL技術に本腰を入れているのは、 先に挙げた巨大企業に限らない。現在、米国内では20社を超える電力会社が試験サー ビスの実施を計画しているが、地域によっては既に商用化を開始したところもある。 事実、2004年においては、全米で25万世帯に対しBPLサービスへの加入が既に選択肢 として与えられていた(出典:Electric Utility Week誌)。

Research and Markets社の調査結果によると、米国内のブロードバンド加入者がBPL サービスを選択する割合は、2012年までに既存顧客で13%、新規では33%に達すると 予測される。消費者側の将来的な期待は、宅内のコンセントから直接、手頃な料金で トリプルプレイサービス(音声/ビデオ/データ通信の統合)を受信できる点にあ る。また、BPL市場も2006年から2012年にかけて106%の複合年間成長率で拡大すると 見込まれている。この数値を裏付けているのは、ブロードバンドサービスの供給を検 討する電力会社の割合が、2000年の6%から2003年には20%に増加した事実である。 これら企業の大半では、5年〜6年以内にブロードバンドサービス市場の2割を獲得で きると見通している。では、通信技術を専門としない電力会社が、BPL事業に力を入 れている理由とは何か?それには、運用面での管理強化とコスト効率の引き上げがあ る。BPL技術を敷設すれば、電力網の設置機器が双方間で通信可能になる−つまり、 グリッド環境を組成する事もできる。概して、電力会社がエネルギー供給先の状態を 把握するのは難しいものだが、この環境を利用すれば、電力メータの自動読み取りや 関連装置の常時監視、ネットワークの状態分析等を管理できる。時間や労働力の削減 はもとより、停電の可能性を的確に予測したり、復旧作業の迅速化を図る上での価値 は大きい。(本記事の続きは次号の後編にてご紹介いたします)

本文は月刊『インターネットマガジン』誌(株式会社インプレス発行:2005年10月 号)で掲載した記事の一部を抜粋したものです。『インターネットマガジン』誌に関 する詳細情報はhttp://internet.impress.co.jp/rim/ をご覧ください。

Rising Company - FilmLoop社

FilmLoop(フィルムループ)

■設立年:2005年

■ステータス:未公開企業

■所在地:Palo Alto, CA

■連絡先:www.filmloop.com/contactus.html

■URL:www.filmloop.com

■社員数:28名(2006年5月現在)

■主な経営陣: Kyle Mashima氏(共同設立者およびCEO:Adobe社の前VP of Strategic Development)、Prescott Lee(共同設立者および会長:ウェブサイトコミュニティ eCircles.comの前CEO)

■最近の資金調達状況: 2006年4月下旬、新規投資機関であるComVentures Partnerの牽引によりシリーズBラ ウンドで700万ドルを確保。既存のGlobespan Capital Partners、Garage Technology Venturesもこれに参加した。今回の調達資金は、自社技術の開発活動を続行すると同 時に、広告面での提携関係を構築する目的で運用される。また、投資条件として ComVentures PartnerのRoland Van de Meer氏がFilmLoop社の取締役員に就任する方 針。同社は、2005年2月に完了させたシリーズAラウンドでも既に550万ドルを獲得し ているが、今後12ヶ月〜14ヶ月の間にシリーズCで更なる資金拡張を予定している。

■事業概要および製品の特長: ユーザ間でデジタル写真の検索、編集、共有が可能な写真共有ソフトを開発。利用者 は、専用のプレイヤーをダウンロード後、ドラッグ&ドロップ操作でデジタル写真を ループ(スライドショー)の中に掲載すると、映画のフィルムのように画面を横断す る形でイメージがスライド表示される。無償でダウンロードできる同サービスでは、 ユーザグループに電子メールでこのループを送信すると、いずれのユーザもこれに写 真を追加することができ、追加写真は各自のループに即時、表示される。ループ内の ユーザ間では、この共有ファイルへ写真の他にコメントやウェブリンクを追加するこ とも可能。表示画面は、PCスクリーンの左右にまたがり、高さは最高で2インチ(約 5センチ)程度にまで拡大することができる。また、クリックオンでフルサイズに引 き伸ばしたり、ツールバーの中に保管することもできる。その他のサービスとして は、スポーツやエンターテインメント、最新の出来事など毎日一回更新される情報を 写真で表示するニュースループも提供。写真によっては、3行〜5行に渡る概要説明 も表示される。また、eBayの商品検索をカスタマイズする機能も搭載。例えば、カシ ミア製の赤いセーターを求めるユーザには、毎日、eBayに掲載された商品の写真が提 供されるため、実際のサイトを頻繁にチェックする手間が省けるといった利点もあ る。

■現在の収益モデル: 現在、無償で提供している同社のサービスは、ウェブサイトやループの中に広告表示 をする形で収入を得ている。広告に関しては、HP社をはじめNestle SA社、Turner Broadcasting System社等の企業と提携関係にある。これら提携企業は、同社へ広告 料を支払い、自社コンテンツのループをそれぞれのウェブサイト、もしくはFilmLoop のサイトに掲載している(実際の広告は、デジタルイメージのループ間を両脇から挟 む形で表示される)。また、eBay社も同社へコミッション料を支払っている。

■競合 YahooのFlickrでも確かに写真共有サービスを提供しているが、同社と全く同様の内 容、機能ではない。しかし、YahooやGoogle等の大手企業が今後、直接的な競合とな る製品を開発すれば、ユーザベースに影響を与える可能性は高い。従って、自社サー ビスを短期間でできる限り大きく成長させることで、これらの巨大企業と競合関係に 直面するよりは、むしろ買収へのチャンスに期待を寄せる向きがある。

 

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This Month's Bridge Builder
Featuring the real voice of IT across the Pacific

March, 2006 

新たな無線技術とそれがもたらすビジネス機会

Mr. Yoshiaki (Jack) Motoyama           VP of Corporate Ventures Catalyst Division       GM of Venture Academic Relations, Hitachi America, Ltd.

シリコンバレーのIT業界では、新しい無線ネットワーキング技術については、米国よ りもむしろアジア地域に目を向けるべきだとするエグゼクティブが多い。無線通信技 術に関しては、ベンチャー企業・サービスともに日本をはじめ大中華圏、韓国および 東南アジア諸国での発展が目覚しい。こうしたアジア地域での技術革新に対する活発 的な動きを受け、ここスタンフォード大学内のUS-Asia Technology Management Center(http://asia.stanford.edu:Dr. Richard Dasherが所長を務める)でも、こ のテーマに特化した講演会を開催している。昨年の末にかけては「Wireless Network Businesses in Asia」と題し、無線ブロードバンドに関連した新しい領域、新規技 術、市場、ビジネスモデル等を題材に、アジアの主要経済地域で活躍する事業提供業 者をはじめ技術・コンテンツのプロバイダによるシリーズ形式の講演会が開かれた。 その中でも特に興味深かったのは、Hitachi America, Ltd.のMr. Yoshiaki (Jack) Motoyamaが行った講演内容であった。同氏は、2000年の10月から現在に至るまで、日 立とベンチャー企業との間で事業および技術に関する提携関係の促進に努め、特に、 半導体および無線通信の領域では、主要な戦略投資やパートナーシップの構築を実現 させた人物である。現在は、消費者製品をはじめ無線技術、ナノテクノロジー、ライ フサイエンス産業におけるベンチャー投資に携わるほか、米国の大学機関と日立との 間では産学連携活動にも積極的である。また、企業レベルで戦略計画にかかわった り、半導体事業や新規ビジネスの促進など様々なプロジェクトを牽引してきた。今月 のBridge Builderでは、元山氏の講演内容を基に、スピンオフのベンチャー企業を通 じて、革新的な無線ネットワーキング技術の開発に対する日立の取り組みについてご 紹介したい。

2001年7月にスタートした「ミューチップ」と呼ばれるプロジェクト (http://www.hitachi.co.jp/Prod/mu-chip/index.html)は、既存のRFIDの代替えと して日立のCentral Research Laboratoryが開発した、超小型かつより安価な無線自 動認識ICチップである。同製品はROM(読取り専用)のほか、リーダが出すマイクロ 波から電力を引き出す点にも特長がある。また、0.4mm角と世界最小の形状には128 ビットのメモリ容量を備え、通信距離は30cm〜100cmの間とされる。元山氏の説明に よると、現行のミューチップは、2005年に愛知県で開催された「愛・地球博」のチ ケットソリューション等(来場者のトラッキング用)で試験的に利用されてきたが、 日立では今後、セキュリティ(パスポートにおける身元情報の確認等)をはじめサプ ライチェーンにおける各製品のトラッキング、製薬産業においては医薬品のトラッキ ングや管理等と、幅広い領域での応用を検討している。

この他にも、日立では2004年1月より無線LAN 位置検知システム「AirLocation」の開 発に取組んでいる。同ソリューションは、従来のGPSを利用したシステムに対し、無 線LAN技術に基づいてWiFiデバイスやWiFiタグを搭載した装置の測位を実行する技術 である。AirLocationの特長は、屋外だけでなく建物の中でも動作する他、直接波検 知技術の活用によって位置検知精度を1〜3mにまで引き上げる点にある。また、5 箇所の基地局と無線LAN端末間で伝送される無線LAN信号を通じた三辺測量によって も、高精度な測位が実現可能。現在のところ、パレットの入出庫・位置の確認、パ レットおよび倉庫内のフォークリフトの位置確認、空港や博物館、駅構内におけるナ ビゲーションサービス等に利用されている。

元山氏の講演の中でもうひとつ印象に残ったことは、日立のベンチャー事業は同社が 100%所有管理している点である。その一方で、日立が2000年7月に設立したベン チャー投資ファンド(総額1億ドル)は、社外のベンチャー企業を対象としたもので ある。今日においても、日立では特に大学機関(元山氏は、スタンフォード大学、UC バークレー、MIT、カリフォルニア工科大学、コーネル大学に携わっている)や政府 機関に支援を受けたインキュベーション企業への投資機会を探求しているとのことで ある。 

前回までのインタビュー

Upcoming Events,

 

Sarbanes Oxley Symposium
2006年8月17日〜18日, Crowne Plaza Chicago O'Hare イリノイ州シカゴ市  

The Eighth Annual CIO Symposium
2006年8月20日〜22日, Hotel del Coronado カリフォルニア州コロナド市  

Financial Services Technology Summit
2006年9月12日-14日,Sanctuary Resort, Kiawah Island サウスカロライナ州カイワーアイランド The Hilton, Financial District カリフォルニア州サンフランシスコ市 

Network Security Conference
2006年9月18日〜20日, Caesars Palace Hotel and Resort ネバダ州ラスベガス市  

Information Security Management Conference
2006年9月18日〜20日, Caesars Palace Hotel and Resort ネバダ州ラスベガス市  

Third Health Information Technology Summit
2006年9月25日〜27日,Renaissance Washington ワシントンD.C.   

 

 

 

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